こんにちは。S塾長です。
本日の課題は「正負の数の加法・減法」です。
中学生になり数学で最初に習う単元、すなわち最初の関門です。
しっかりと計算できるよう練習しましょう。
課題
kadai240524解説
「正の数」「負の数」の概念のとらえ方は人それぞれで、なかなか納得いかない!って方もいらっしゃるかもしれません。
教科書的な表現を借りると、
- 正の数を「東向きに進む距離」と考えると、負の数は「西向きに進む距離」
- 正の数を「海面から空に向かった高さ」と考えると、負の数は「海面から海底に向かった深さ」
- 正の数を「外気と比べた室内の温度の暖かさ(暑さ)」とすると、負の数は「外気と比べた室内の涼しさ(寒さ)」
などとなります。「数」というのは定義が必要で、定義があってはじめて意味をなすものですが、「正負」はその数の増え方が全く正反対のもの、と言えます。
数学では定義がないただの「数」を取り扱う練習をします。きちんとできるようになれば多くの場面で応用できます。
加法(たしざん)については、考えることは2つ。
- “+”と”ー”、どちらになるのか
- 2つの数が合わさるのか、打ち消しあうのか
例を用いて考えてみましょう。「東」を”+”、「西」を”-”と考えます。
例1)東に3m進んだあと、さらに東に2m進む
東と西、どっちにいるか?→東
元居た位置からどのくらい移動したか?→3+2=5m
例2)東に1m進んだあと、西に3m進む
東と西どっちにいるか?→西
元居た位置からどのくらい移動したか?→3-1=2m
例題を2つ考えてわかるのは、以下の通りです。
- 同じ向きに移動した場合
- いる方向:移動した方角
- 移動した距離:たしざん
- 違う向きに移動した場合
- いる方向:移動距離が大きいほう
- 移動した距離:ひきざん
これを、正負の数の表現で書くと以下のようになります。
- 同符号の加法
- 符号:同じ符号
- 数字の大きさ:2数の和(たしざん)
- 違う符号の加法
- 符号:数字(絶対値)が大きいほう
- 数字の大きさ:2数の差(ひきざん)
2つの例題を数式にすると、
1) (+3)+(+2) = +5
2) (+1)+(ー3) = ー2
となります。
次に減法(ひきざん)です。
これも例題を用いて考えてみましょう。
例) 東に5m進んだあと、東から3m戻る
東と西、どちらにいるか?→東
元居た位置からどのくらい移動したか?→5-3=2m
「進む」がたしざんとすると、「戻る」がひきざんの表現となります。
結果については感覚的にはご理解いただけるのではないかと思います。
ここで、「東から3m戻る」という表現を、同じ内容で「進む」を使って書くとすると、
「西に3m進む」と書けます。
すなわち、ひきざんの表現はたしざんに変換できるのです。
上の例では「戻る」→「進む」に変更する際に、「東」→「西」と、向きが逆になっています。
これを、正負の数の表現で言い換えると以下の通り。
- 減法(ひきざん)はひく数の符号を逆にして加法に変換できる。
例題を数式で表すと、以下のようになります。
3) (+5)ー(+3)=(+5)+(-3)=+2
ひきざんがたしざんになったら、たしざんのルールに従うだけです。
計算に慣れてきたらひきざんのままできるかもしれませんが、慣れるまではひきざんをたしざんに換えて計算するようにしてみてください。