こんにちは。S塾長です。
今回は「通信制高校」について、個人的な見解を書きます。
あくまで「個人的見解」です。1つの参考としてご覧いただけますと幸いです。
通信制高校=不登校生が通える唯一の選択肢、ではない
近年、非常にたくさんの通信制高校があります。小学校や中学校で、うまく学校に通うことができなかった生徒さんを中心とする受け皿として需要があるのかもしれません。
一方で、全日制の高校、特に私学では不登校生徒の受け入れを積極的に行っている学校もあります。
ですので、進学に関しては、いかなる状況であったとしても、様々な選択肢を考えることが、非常に非常に重要となります。
その進路選択が、よりよいものとなるよう、考える1つの材料として、以下のデータをお使いいただけると非常にうれしいです。
通信制高校の退学率は全日制に比べて高い
データはあくまでデータですので、個々のケースの特殊性は議論していません。よって、比較が平等であるかも不明です。
しかしながら、通信制高校の退学率(年度に退学した生徒÷在籍人数)は高い数値となっています。
| 退学者数 | 退学率 | |
| 全日制 | 29,121人 | 1.0% |
| 通信制 | 10,094人 | 3.5% |
退学する理由はさまざまあるので一概には比較できません。
一方で、「高校3年間で何をしたいのか」「高校を卒業した後何をしたいのか」のような、「今」や「将来」がもし見えていなかったとすると、高校過程に向き合う気力も起きないのではないかと思いますし、「今」や「将来」を見るための機会はひょっとすると全日制過程のほうが多くあるのではないかと考えます。
通信制高校の卒業後の進路で「進路未決定」の割合は高い
高校卒業後の出口の数値を見てみます。
| 全日制高校 | 通信制高校 | |
| 卒業者数 | 918,850 | 84,450 |
| 大学等への進学 | 568,729(61.9%) | 22,342(26.5%) |
| 専門学校への進学 | 173,198(18.8%) | 21,323(25.2%) |
| 就職 | 131,161(14.3%) | 16,942(20.1%) |
| 上記以外 | 41,304(4.5%) | 23,843(28.2%) |
全日制と比較して、通信制高校では進学する割合は低く、「進学も就職も決まっていない」割合は高い傾向にあります。
「高校の先にどういった進路をとるのか」という思いが薄いと、次の進路を決定しづらくなるのではないかと考えられます。
全日制だと、進路指導の授業を強制的に受けさせられて考える機会を設けられることや、周りの同級生の意見を常時聞きながら考えることができるなどの環境があります。
一方で、通信制だと、通学の仕方によっては、同級生とほとんど交流を持たない状態で時間が過ぎていくケースも少なくないです。こういった環境だと、将来のことを考える機会が少なくなることも当然考えられます。
進学先にかかわらず大事なのは「何のために行くのか」を明確にしておくこと
中学校までは義務教育で、「必ず通わなければならない」と憲法に定められており、日本国民であれば9年間の課程を過ごさなければなりません。
一方でその先は、各自で自由に決めることができます。
この「自由に」がポイントで、(学力での選考はあるものの)自由に行き先を選べる半面、行き先を選ぶ責任が発生するわけです。
「高校に進学して何をしたいのか」
「高校の先(高校卒業後)にどういう人生を歩みたいのか」
といったことが整理できて、初めて進学する高校を適切に選べるのではないかと思います。まずは自分が何を実現したいのか、将来どういう人間になりたいのかをしっかり考えることからスタートするとよいでしょう。
まとめ
進路を決定するうえで大事なことは、「その先に何があるのか」です。
通信制高校を選択する場合、このことが、特に大事になってきます。
なぜなら、「他の人と一緒に考える機会が少ない」場合が多いから。
「通信制」と名前が付いていても、通学スタイルは様々です。
様々だから、中には「年に数日だけの通学+映像学習でのレポート」で高校卒業も可能です。
選択するコースもしくは単位によっては、本当に「高校卒業が認定できる最低限の学習量」だけしか授業しない(かつそれが映像授業なので生徒に合わせた指導は無い)ので、悪い言い方をすると、その先がなくなることになります。
「なくなる」というのは、
- 学力的に進学できる力が育たない
- 人とのコミュニケーション能力が十分に育たないために就職が難しい
といった状態、ということです。
私の塾では大学受験向けの高校生も塾生対象です。過去に通信制高校に通われている生徒さんの問い合わせもありましたが、「大学受験に向けての基礎学力が圧倒的に不足している」「受験に向けた学習に向き合えない」生徒に出会うことがありました。彼らのような、目的意識を持つのが遅すぎるもしくは目的達成のために頑張れない若者を増やしてはいけないと思っています。
「通信制」は悪くて「全日制」がいいというわけではありません。
どちらに進むにせよ、「目的を持って進路を選択」して、「目的に合致した学校を選択」できれば良い、ということです。
ただ、通信制高校の一部の学校は、生徒の育成にあまり興味がないようにも見える学校があります。そういったところは選択肢から省く必要があるでしょう。
進路の選択の際は、ぜひ「先を見据えた」選択をしてください。

