こんにちは。S塾長です。
「国語の読解問題が苦手です。どうすれば読解力が上がりますか?」
中学生から、よく聞かれる質問の一つです。
読解力というと、「たくさん本を読めば身につく」と考える人もいるかもしれません。
もちろん読書は大切です。しかし、読解力を伸ばすためには、ただ文章を読むだけではなく、文章の内容を正確に捉え、自分で考える練習も必要です。
今回は、中学生が国語の読解力を伸ばすために意識してほしいことを、3つに絞って紹介します。
よくある困りごと
個別指導塾で中学生が「国語」の授業を取ることは多くありません。
なぜなら、「日本語を読むことはできる」から。
しかしながら、定期テストや実力テストの点数は人によってまちまちです。
日本語を読むことはできるのに、テストで点数が取れないのはなぜか?
それは、「本当の意味で読めていない」からです。
例えば、物語文で「この人物は今どういう気持ちだろう?」や、「この人物はどういう行動をとっている?」などの質問に答えられるのかどうかが本当の意味で読めていると言えるかどうかとなります。
また、例えば、論説文で、「この段落では何を述べている?」「筆者の主張は何だろう?」と言った質問に答えられるかどうかが、本当の意味で読めているかどうかとなります。
では、本当の意味で読めるようになるにはどうしたらいいのか?以下で解説したいと思います。
文章を「なんとなく」ではなく、根拠を探しながら読む
読解問題で大切なのは、文章を読んで「たぶんこういうことだろう」と感覚だけで答えないことです。
例えば、
「このとき、主人公はどのような気持ちだったか。」
という問題があったとします。
この問題に対して、
「悲しかったと思う。」
と自分のイメージだけで答えるのではなく、
「本文のどこに、その気持ちが表れているのか」
を探します。
登場人物の行動、会話、表情、周囲の状況などを確認すると、気持ちを判断するための根拠が見つかることがあります。
説明文でも同じです。
「筆者が一番伝えたいことは何か」と聞かれたら、自分の知識や意見ではなく、まず本文の中から筆者の主張を探します。
つまり、
「答えは本文のどこから分かるのか?」
と考える習慣をつけることが大切です。
毎日できること
毎日、短い文章を一つ読んで、
- 重要だと思った一文を1つ選ぶ
- 「なぜ重要だと思ったのか」を一言で説明する
- 分からない言葉を1つ調べる
という練習をしてみましょう。
5~10分程度でも構いません。
「読む→根拠を探す」という習慣を毎日少しずつ積み重ねることが大切です。
文章の「つながり」を意識する
読解問題では、一つ一つの文の意味だけでなく、文と文、段落と段落がどのようにつながっているかを見ることも重要です。
特に注目したいのが、
「しかし」
「だから」
「つまり」
「たとえば」
「一方で」
「このように」
などの言葉です。
例えば、
私は以前、毎日運動することが健康に良いと思っていた。
しかし、運動のしすぎにも注意が必要である。
私は以前、毎日運動することが健康に良いと思っていた。
しかし、運動のし過ぎにも注意が必要である。
と書かれていれば、「しかし」の前と後ろで内容が反対方向に変化しています。
また、
多くの人がこの方法を利用している。
たとえば、学校でもこの方法が取り入れられている。
とあれば、後ろの文は前の内容を具体的に説明しています。
このような「文章のつながり」に注目すると、文章全体の構造が見えやすくなります。
文部科学省の中学校国語の学習指導要領解説でも、「読むこと」について、文章の構造や内容を把握し、内容を精査・解釈する学習が示されています。
毎日できること
教科書や問題集の文章を読むときに、
「この『しかし』は、何と何を反対にしているのだろう?」
「この『つまり』は、何をまとめているのだろう?」
と考えてみましょう。
最初は接続語に線を引くだけでも構いません。
1日1段落でもよいので、文章の「つながり」を意識して読む習慣をつけてみてください。
読んだ後に「自分の言葉で説明する」
読解力を伸ばすうえで、ぜひ取り入れてほしいのが、読んだ内容を自分の言葉で説明することです。
文章を読んだ直後に、
「結局、この文章は何を言っていたの?」
と自分に問いかけてみましょう。
そして、できれば一文で説明してみます。
例えば、説明文を読んだ後なら、
「この文章は、○○について、筆者が△△だと説明している。」
という形でも構いません。
物語なら、
「主人公は○○という出来事を経験して、最後には△△という気持ちになった。」
というように、内容を整理してみます。
うまく説明できない場合は、文章をもう一度読み直します。
ここが重要です。
「分かったつもり」で終わらせず、自分の言葉にできるか確認することで、文章の理解が深まります。
毎日できること
毎日10分程度の読書や文章学習をした後に、
「今日読んだ内容を一言でいうと?」
と考えてみましょう。
最初は一文で十分です。
慣れてきたら、
「筆者は何を伝えたいのか」
「その理由は何か」
「具体例は何か」
まで説明できるようにしていきます。
読解力は、一日で身につくものではない
読解力は、問題集を一気に何ページも解けば、すぐに身につくというものではありません。
むしろ、
毎日少しずつ文章を読み、根拠を探し、文章のつながりを考え、自分の言葉で説明する。
この繰り返しが大切です。
例えば、次のような10分間の学習でも十分です。
毎日10分の読解トレーニング
① 文章を読む(5分)
教科書、問題集、新聞記事など、無理なく読める文章を読みます。
② 根拠を一つ探す(2分)
「重要だと思う一文」や「筆者の主張が分かる部分」を探します。
③ 一文で説明する(3分)
「この文章は何を言っているのか」を自分の言葉でまとめます。
これを毎日続けるだけでも、文章を読むときの意識は変わってきます。
読書だけでなく「考えながら読む」ことが大切
読書は、語彙を増やしたり、さまざまな文章に触れたりするために大切です。
ただし、「たくさん読めば、それだけで読解問題が解けるようになる」と考えるのは少し注意が必要です。
大切なのは、
「何が書いてあるのか」
「なぜそう言えるのか」
「文章のどこに根拠があるのか」
を考えながら読むことです。
国語の読解力は、特別な才能だけで決まるものではありません。
毎日の小さな練習を積み重ねることで、少しずつ伸ばしていくことができます。
まずは今日から10分。
「文章を読む → 根拠を探す → 自分の言葉で説明する」
という3つを意識して、読解力を鍛えていきましょう。

