こんにちは。S塾長です。
大阪府の公立高校の受験を検討している中学3年生の皆さんは、公立高校の入学者選抜がどのように行われるかを知っておくことが大切です。決して「入試本番のテストの成績」だけで決まるものではありません。
今回は、令和9年度(2027年度)の大阪府公立高校入試について、主に全日制の一般入学者選抜の仕組みを説明します。昨年度までと大きな変更点はありませんが、一緒に確認していきましょう。
なお、現在中学2年生以下の方が受験する、令和10年以降の公立高校入試は制度が変更されます。詳細は別の記事で書いておりますので、該当する学年の方はそちらをご参照ください。
基本は「学力検査+調査書」
一般入学者選抜の全日制では、基本的に、
学力検査(いわゆるテストの点数)
と
調査書の評定(通知表の5段階評価)
を合わせて「総合点」を計算し、その点数などをもとに合格者を決めます。
学力検査は、
- 国語
- 数学
- 英語
- 理科
- 社会
の5教科で、それぞれ90点満点、合計450点です。
一方、調査書の評定は9教科が対象です。
令和9年度は、各教科について、
中学3年生の評定×6
+中学2年生の評定×2
+中学1年生の評定×2
という計算になります。
9教科の合計は450点満点です。
つまり、
入試当日の5教科の点数だけで決まるわけではない
ということです。
中学校1年生から3年生までの成績が、入試に関係します。
高校によって「学力検査」と「調査書」の重みが違う
大阪府の公立高校入試には、少し注意が必要なところがあります。
学力検査450点と調査書450点を、そのまま合計するとは限りません。
高校ごとに、学力検査と調査書にかける倍率のタイプが決められています。
| タイプ | 学力検査 | 調査書 | 比率のイメージ |
|---|---|---|---|
| Ⅰ | 1.4倍=630点 | 0.6倍=270点 | 7:3 |
| Ⅱ | 1.2倍=540点 | 0.8倍=360点 | 6:4 |
| Ⅲ | 1.0倍=450点 | 1.0倍=450点 | 5:5 |
| Ⅳ | 0.8倍=360点 | 1.2倍=540点 | 4:6 |
| Ⅴ | 0.6倍=270点 | 1.4倍=630点 | 3:7 |
つまり、高校によって、
入試本番の学力検査をより重視する学校
もあれば、
中学校での評定をより重視する学校
もあります。
志望校が決まったら、その高校がどのタイプを採用しているのかを確認しておきましょう。
国語・数学・英語にはA・B・C問題がある
大阪府の公立高校入試では、国語・数学・英語について、学校によって、
A問題=基礎的問題
B問題=標準的問題
C問題=発展的問題
のいずれかが使われます。
例えば数学では、A問題は基礎的な計算や「数と式」「図形」「関数」「データの活用」の基礎的な理解を問う問題が中心です。B問題では基礎的・標準的な内容、C問題では標準的・発展的な内容について、数学的に処理し判断する力などが問われます。
また、英語については、C問題では問題文が指示文を含めてすべて英語で構成され、標準的・発展的な英文を素早く読み取る力や、一定量以上の英文を書く力などが問われます。また、リスニングの配点も問題の種類によって異なり、A・B問題では約20%、C問題では約33%です。
そのため、志望校がどの問題を使用するのかを早めに確認することが大切です。
合否判定の際、「ボーダーゾーン」は点数ではない部分も参照する
大阪府の一般選抜では、総合点の順位だけで単純に全員を上から並べて終わり、という仕組みではありません。
まず総合点の順位から一定の範囲を「Ⅰ群」とし、その中で募集人員の90%に相当する人数を合格者とします。
その後、総合点で並べた際に上から募集人員の90%から110%に含まれる人が「ボーダーゾーン」となります。
ボーダーゾーンでは、
自己申告書
や
調査書の「活動/行動の記録」
などを含めて、高校側が自校のアドミッション・ポリシー(求める生徒像)に合致している生徒を優先的に合格者として選抜します。
そのため、「ボーダーゾーン」に入った場合、自己申告書や調査書の内申点以外の部分が非常に重要になってくることになります。
令和9年度の主な日程
令和9年度の大阪府公立高校入試は、選抜の種類によって日程が異なります。
一般選抜の全日制では、
出願:3月3日(水)~3月5日(金)
学力検査等:3月10日(水)
合格発表:3月18日(木)
となっています。
一方、特別入学者選抜は2月に行われます。
例えば、工業系の一部学科、総合造形科、美術科、体育に関する学科、グローバル探究科、演劇科、芸能文化科などでは、2月15日・16日に出願し、2月18日に学力検査、2月19日に実技検査などが行われます。
音楽科については実技試験の日程が他と異なります。
それぞれ詳細は大阪府のHPをご確認ください。
中学生が今から意識しておきたいこと
令和9年度の大阪府公立高校入試では、
① 中学校の評定
② 5教科の入試本番の点数
③ 志望校が使用する問題の種類
④ 高校ごとの学力検査・調査書の倍率
を確認することが大切です。
特に注意したいのは、
「入試直前に頑張れば何とかなる」
と考えないことです。
調査書の評定は中学1年生から3年生までが計算に使われます。
そのため、中学3年生になってから急に内申点を意識するのではなく、普段の定期テストや授業、提出物などにも継続して取り組むことが重要です。
また、入試問題は高校によってA・B・Cの種類が異なります。
志望校が決まったら、
「その高校はどの問題を使うのか」
「学力検査と調査書のどちらにどの程度の重みがあるのか」
を確認しておきましょう。
まとめ
大阪府公立高校の入試は、単純に「当日の5教科の点数だけ」で決まるわけではありません。
学力検査+調査書の評定
を基本として、高校ごとに設定された倍率などを使って総合点を算出し、合格者を決定します。
だからこそ、
普段の学校の勉強
と
入試に向けた受験勉強
の両方が大切です。
「高校入試は中3になってから」と考えるのではなく、早い段階から仕組みを知って、自分の目標に合わせた勉強を進めていきましょう。
学習塾へ入塾希望される方の中には、
- 中学3年生になったから入試に向けて勉強しないといけない
- 中学3年生の夏が終わって、クラブ活動を引退したので、そろそろ入試に向けて勉強を始めよう
といった感じで、中3の春や夏の終わりにいらっしゃる方も多いです。
そういう方々に思うのは、
あと1年もしくは2年早く来てくれていたらほとんどの希望を叶えることができただろうに
ということです。
毎日1日6~7時間の非常に過酷な学習をしたくないなら、中学1年生から毎日1時間の学習を積み重ねて、しっかりと志望校への切符を勝ち取っていただきたいと、常に願っております。
なお、今回紹介した内容は令和9年度(2027年度)入試についてのものです。大阪府では令和10年度以降に入試制度の変更が予定されているため、中学2年生以下の人は、受験する年度の最新情報を必ず確認してください。

